一般社団法人 兵庫県トラック協会
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2012.01.01

年頭のご挨拶

 

年 頭 の ご 挨 拶

 

社団法人 兵庫県トラック協会
会 長  福永征秀

 

 

 新年明けましておめでとうございます。
 平成24 年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 会員事業者の皆様はじめ関係各位におかれましては、お健やかに新年をお迎えになられたことと、心からお慶び申し上げます。

 

 昨年我が国では、3月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波により、未曾有の被害をもたらせた東日本大震災が発生しました。この震災とそれにより引き起こされた東電福島原発事故により被災した地域では、やっと復旧の緒に就いたばかりであり、新たな年を迎えた今も、未だに復興の目処もたっていない状況にありますが、一日も早い復興を切に望むところであります。

 

 さて、昨年の我が国の経済は、国内やタイでの災害の影響による企業の製造の縮小、ユーロ圏から全世界に波及した金融不安の影響や円高による輸出の減退により、立ち直りのきっかけもつかめない非常に暗い一年でありました。

 

 私どもトラック運送業界におきましても、リーマンショック以降、輸送需要の減少や運賃・料金の下落が続き、経営環境の改善が未だ見られない中で、「安全対策」や「環境対策」などに係るコスト負担の増加などにより、非常に厳しい経営環境に置かれており、多くの事業者が疲弊し、業界全体が深刻な経営危機に直面しています。
 このような状況を打破していくためには、政府に対して、力強い景気・経済対策の推進を求めるとともに、中小企業対策を強く要請しなければなりません。
 また、自動車関係諸税の簡素化.軽減については、国の財政悪化を理由に一向に手つかずの状態であり、今後、自動車関係諸税の簡素化,軽減に向け、強く実施を求めていかなければなりません。
 昨年は、長年の懸案でありました運輸事業振興助成交付金について、法制化され、一歩前進しましたが、これとても、地方に対して交付を義務づけたものでなく、今後この交付金の全額交付について課題も残されています。

 

 トラック産業の将来ビジョンに関する検討会では、『トラック産業の将来ビジョン』に関し、現在ワーキンググループにおいて検討されている「新規参入に係る最低車両台数のあり方」、「適正な運賃の収受に向けた取り組み」についての検討結果を基に、さらに検討を重ね最終とりまとめを行うことになります。
 私どもとしましては、適正な運賃の収受を始め、秩序ある業界の発展のために、この検討会で実効ある意見がとりまとめられ、国において確実に実行されるよう、今後も声を大にして働きかけていく必要があると考えています。

 

 このような状況の中で、私どもトラック運送事業者としましては、我が国の産業活動や国民のくらしを支える国内物流に不可欠な公的基幹産業であることを自覚し、社会と共生し、その役割を果たしていくことが重要であり、昨年に引き続き次の対策を重点的に推進して参ります。

 

第一に、適正化事業の推進です。

 安全で良質な輸送サービスは、社会的要請であり、私どもが常に守らなければならない使命でもあります。
 この安全で良質な輸送サービスを行うことにより、荷主をはじめ消費者からの信頼を得、私どもトラック運送事業者の社会的地位を高めるものです。
 しかしながら、厳しい経営環境の中、一部には過労運転など、不適切な事業者も見られます。
 このようなことから、民間団体による自主的な活動(適正化事業実施機関)として、事業者に対する巡回指導をより積極的に行うとともに、運輸安全マネジメントの導入推進、「安全性優良事業所認定制度(Gマーク)」の取得を啓発し、輸送サービスの向上を図り、荷主や消費者から信頼される業界づくりを目指して参ります。

 

第二に、環境対策です。

 近年、地球温暖化が原因とされている異常気象が各地で頻繁に発生し、その主要な原因の一つとされるCO2の排出削減が喫緊の課題となっています。
 私どもはCO2削減に向けた自動車の省エネ意識を高めるため、昨年トラック運送事業者によるエコドライブ運動や県下各地において「環境キャンペーン」の実施、さらには、「環境と物流を考えるフォーラム」を開催し、広く市民にアイドリングストップとエコドライブの励行について啓発を行うとともに、荷主への理解を求めました。
 今後、更なる環境への負荷の削減を図っていくため、これらの活動を始め、低公害車両と関連機器の導入やトラック運送事業者のグリーン経営認証への取り組みを促進して参ります。

 

第三は、安全対策です。

 交通事故や労働災害の防止は、トラック運送業界に課せられた最も重要な使命であることは言うまでもありません。
 交通事故死傷者数は減少傾向にありますが、私どもトラック運送業界を見ますと、国の調査では、過労運転防止に係る措置や安全確保に係る指導監督の不適正が増加しているとの報告がされています。
 これらの不適正を正し、営業用トラックが第一当事者となる交通事故の減少を目指すべく、「トラック事業における総合安全プラン2009」に基づく諸対策の実施、ASV関連機器の導入促進を図るなど、運輸安全マネジメントの導入促進、飲酒運転の撲滅に向け全力を挙げて推進して参ります。

 

 以上のように、私ども兵庫県トラック協会としましては、現在、トラック運送業界が抱える多
くの課題に着実に取り組み、将来にわたるトラック運送業界の発展のための課題を一つずつ確実に解決して参りたいと存じます。

 

 そのためには、私どもが英知を結集し、一致団結することは勿論、政治的な働きかけも視座に据えて、課題の解決に向けた行動を起こして参りたいと考えています。
 また、本年は本部研修会館の建て替え工事が始まるとともに、公益法人改革に向けた取り組みを行うこととなります。
 つきましては、会員の皆様をはじめ、関係各位の一層のご支援、ご指導とご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

 本年は「辰=龍」年。
 「登竜門:急流を遡る鯉は龍になる」という故事にもありますように、努力の後には必ず良い成果が得られることを期待しますとともに、皆々様のご健康、ご多幸を心から祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。


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