陸上貨物運送事業における交通労働災害防止の徹底について
陸上貨物運送事業における労働災害による死亡者数は、全国的には平成22年1月から7月までの速報値で80人と、昨年に比べて26人、48.1%(全産業で574人、13%増)の大幅な増加となっています。これは2年前と比べても6.7%の増(全産業は11.0%減)であり、看過できない状況にあります。事故の型別では、特に交通事故によるものが47人と昨年に比べて17人、56.6%の大幅な増加となっており、とりわけ深夜時間帯(22時〜5時)において、19人と、昨年の9人と比べ多発しています。その内訳を見ますと追突事故が多くなっており、早急な対策の強化が必要となっています。
また、兵庫労働局管内においても、平成22年1月から8月までの速報値では、陸上貨物運送事業における死亡者数は3人と、既に昨年(1年間)の1人に比べ3倍増となっており、3人とも追突事故で、うち2人は深夜時間帯における災害となっています。
つきましては、以上のような死亡交通労働災害の急増に歯止めをかけるため、兵庫労働局では「緊急死亡労働災害防止対策」の実施を図ることとしておりますが、その重点実施事項として、「交通労働災害防止のためのガイドライン」に基づき、特に睡眠時間の確保に配慮した措置である下記の事項を確実に実施するよう会員事業者様に周知・指導の徹底をお願いいたします。
- 1.適正な労働 時間等の管理及び走行管理の実施
- 疲労等による交通労働 労働 災害を防止するため、運転業務従事者の十分な睡眠時間等の確保に配慮し、無理のない適正な運転時間等を設定した走行計画を作成すること。
また、乗務状況を把握し、走行計画どうり走行できなかった場合には、その原因を把握し、次回以降の走行計画の見直し等を行うこと。
- 2.点呼等の実施及びその結果に基づく措置
- 安全な運転を実施させるため、運転等業務従事者に乗務を開始させる前に点呼等を実施し、睡眠不足が著しい、体調が不調である等正常な運転が困難な状態と認められる者に対しては、運転業務に就かせないことを含め必要な措置を講じること。
平成21年・22年 1月〜8月の事故の型別労働災害状況
区分 |
墜落・ 転落 |
転倒 |
はさまれ・ 巻き込まれ |
交通事故 |
動作の反動・ 無理な動作 |
その他 |
計 |
21年比 |
|
21年 |
死亡 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
2 |
|
22年 |
〃 |
0 |
0 |
0 |
3 |
0 |
0 |
3 |
50.0%増 |
21年 |
死傷 |
96 |
72 |
55 |
27 |
45 |
108 |
403 |
|
22年 |
〃 |
87 |
44 |
20 |
22 |
40 |
82 |
295 |
26.8%減 |